アビクリア

「アビクリアの治療メカニズム:1726nmの波長とは」 〜アビクリアを徹底解説〜

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アビクリア(AviClear)は、1726nmの波長をもつレーザーを使用した、新たなニキビ治療デバイスです。従来のニキビ治療とは異なり、皮脂腺に直接アプローチすることで、ニキビの根本原因を改善します。軽度から重度の炎症性ニキビの長期的な改善に対して、米国FDAの認可を取得しており、世界的に注目されている治療法です。あらかわ皮膚科では2025年2月よりアビクリアの施術を開始しました。

本記事では、アビクリアの1726nmの波長の特徴とアビクリアの治療メカニズムについて、解説します。


1726nmの波長の特徴とは?

レーザー光は波の性質を持ち、その波の長さを「波長」と呼びます。波長は、レーザーが皮膚のどの成分に吸収されやすいかを決める重要な要素です。

アビクリアが使用する1726nmという波長は、皮脂によく吸収されるという特徴を持っています。具体的には、

  • と比較して → 約2倍
  • メラニンと比較して → 約26倍

吸収されます。このため、皮脂腺だけにエネルギーを集中させやすく、周囲の組織へのダメージを抑えながら、効果的に皮脂腺をターゲットとすることが可能です。

アビクリアが皮脂腺をターゲットとするしくみ

1. 皮脂腺をターゲットにして加熱・破壊する

アビクリアは、レーザーを皮脂腺に集中して吸収させ、その熱エネルギーで皮脂腺を破壊します(選択的光熱分解)。これにより、皮脂の分泌が抑えられ、ニキビの根本原因にアプローチできます。

皮脂腺を効果的に破壊するためには、以下の3つの要素が重要です:

  • 波長(1726nm):皮脂への高い吸収率を持つ
  • 照射時間:熱が周囲に広がる前に皮脂腺を破壊
  • 十分なパワー:皮脂腺の深さまで届くレーザーのパワー

アビクリアでは、これらの要素をバランスよく組み合わせることで、皮脂腺をターゲットにし、周囲の皮膚構造をできる限り温存することを可能としています。
実際、治療から5日後の皮膚組織では、皮脂腺のみが破壊されており、他の組織構造は保たれていたと報告されています。

レーザー照射後の皮脂腺は、破壊される、あるいは縮小・萎縮することで機能が低下し、皮脂の分泌が抑えられると考えられています。これにより、過剰な皮脂分泌が長期的に抑制され、ニキビの再発予防につながります。

2. 皮膚を守る冷却技術:AviCoolテクノロジー

アビクリアのハンドピースには、「AviCool(アビクール)」と呼ばれる独自の冷却システムが搭載されています。これは、サファイア製の冷却プレートと、皮膚との接触および圧力を感知するスマートセンサーから構成されています。

AviCoolは、以下の3段階で皮膚を冷却します:

  • 照射前(プレクーリング):あらかじめ表皮を冷やして保護
  • 照射中(パラレルクーリング:レーザーの熱から表皮を守る
  • 照射後(ポストクーリング):余分な熱を逃がし、赤みや炎症を予防

冷却プレートの温度は通常2℃に保たれており、レーザーの熱による表皮の損傷を防ぐ役割を果たします。

また、ハンドピースをやや強めに圧迫して照射することにより、皮膚との十分な接触を確保するだけでなく、皮膚の奥にある皮脂腺までレーザーが届きやすくなる効果があります。

スマートセンサーは、皮膚の温度やデバイスとの接触状態をリアルタイムで監視し、治療の安全性を高めます。


まとめ:アビクリアはこんな方におすすめ

アビクリアは、1726nmの波長を利用し、皮脂腺に選択的にエネルギーを届けることで、ニキビの根本原因に直接アプローチする新しいレーザー治療です。高い効果と安全性を両立する技術により、これまでのニキビ治療では十分な結果が得られなかった方にも、新たな選択肢として期待されています。

以下のような方に特におすすめです:

  • 従来の塗り薬や飲み薬で効果が不十分だった方
  • 炎症性ニキビや繰り返す再発に悩んでいる方
  • 薬に頼らず、より根本的な治療を求めている方
  • 長期的な肌質改善や予防を目指したい方
  • 副作用の少ない、安全性の高い治療を希望される方

アビクリアは、治療後も皮脂分泌の抑制効果が持続するため、長期的な効果を目指す方に適した選択肢となります。
あらかわ皮膚科では、患者さま一人ひとりのお肌の状態に合わせて、最適な治療プランをご提案いたします。ニキビに悩む方は、ぜひ一度ご相談ください。

・未承認機器等の表示
 アビクリアは医薬品医療機器等法上の承認を得ていない未承認医療機器です。
・入手経路等
 アクビリアはキュテラ社を通じて個人輸入しています。
・国内の承認医薬品等の有無
 国内においては承認されている医療機器はありません。
・諸外国における安全性等に係る情報
 米国のFDAなどに承認されております。

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